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四元数による空間の回転

秋学期の定期試験が終わってだいぶ経つが、学部4年生と大学院生向けの授業で拙著『演習形式で学ぶリー群・リー環』を教科書にしてリー群とリー環について講義した。

授業の中でコンピューターグラフィックスなどの応用上も重要な四元数を用いて空間の回転を表す話を扱い、ベクトル $(1/\sqrt{3},1/\sqrt{3},1/\sqrt{3})$ を軸とする角 $\frac{\pi}{2}$ の回転により点 $(1,2,1)$ をうつした点の座標を求める問題を定期試験で出題した。回転を表す四元数は $$g=\cos\frac{\pi}{4}+\frac{1}{\sqrt{3}}(i+j+k)\sin\frac{\pi}{4}=\frac{1}{\sqrt{2}}+\frac{1}{\sqrt{6}}(i+j+k)$$ で、回転した点は $$g(i+2j+k)\bar{g}=\frac{4-\sqrt{3}}{3}i+\frac43j+\frac{4+\sqrt{3}}{3}k$$
したがって求める点の座標は $((4-\sqrt{3})/3,4/3,(4+\sqrt{3})/3)$ である。四元数の積の計算は注意深くやればできるものだが結構面倒なので試験の出来はあまりよくなかった。

Maple 標準のパッケージでは四元数の計算がサポートされていないが、Michael Carter 氏作の Quaternions パッケージをインストールして使えば四元数の計算をMapleで行うことができる。手計算をさせる意義が乏しい問題だったかも知れない。

quaternion.png



擬球

擬球

擬球の模型(東京大学大学院数理科学研究科)。擬球は負の定曲率曲面。正の定曲率曲面は球(面)である。

キジ

P5160069bts.jpg

4月以降、関西学院大学神戸三田キャンパスの近くでけたたましい鳥の鳴き声を何度か耳にして何だろうと思っていたのだが、先日ついにその姿を捉えた(写真)。キジであった。キジを見るのは生まれて初めてのことではないかと思う。キジは三田市の鳥で、三田市のイメージキャラクター「キッピー」はキジであることもこの機会に知った。

その後、休日に近所の遊歩道(神戸市北区の太陽と緑の道)を歩いていたら、人に驚いた2羽のキジが鳴き声をあげながら飛んで逃げていった。一度その存在を認識すると、普通に目にするようになるということはよくあるが、偶々なのか割とたくさんいるものなのかわからない。

三田キャンパスの周辺や私が住んでいる辺りは道路や宅地が開発されており、郊外といってもとんでもなく不便な田舎という訳ではないが、手付かずの山林やゴルフ場が点在しており、野鳥が多数見られる自然の豊かなところである。

新学期

cherryblossom

2015年度の新学期を迎えた。この3月には関西学院大学数理科学科の第3期生が大学を卒業し、第1期生が博士前期課程(修士課程)を修了した。そして4月には第7期生が入学した。数理科学科の新設とともに関学に来た私は関西での仕事、生活が7年目を迎えることになる。急激に暖かくなり、三田市でも桜が満開となった。大学・大学院の卒業・入学という節目を迎えた皆さんを祝福する。

今年度から理工学部は3つの新学科を立ち上げ、9学科体制がスタートする。私も気持ちを新たに教育・研究に取り組んでいく所存である。

2つの波紋の干渉

wave2.jpg

水面に2つの石を投げ込んだときの波紋の広がりを Maple の densityplot 関数を使って描いてみた。灰色(波の節に対応)に注目すると双曲線群が見えてくる。
プロフィール

示野信一

Author:示野信一
関西学院大学理工学部数理科学科
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