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曲面の交線

intersection_m.jpg

関西学院大学理工学部数理科学科3年生対象の担当科目『幾何学II』の演習問題52に現れる2つの曲面の交線がなめらかにならない場合の1つを図示してみた。単位球面(赤)と x - y2 = -1 (青)の交線は,(-1,0,0) で交わる8の字型の曲線になっている。

これが『幾何学II』の前半部分の最後の演習問題で,小問まで入れると70問ほどあり,この範囲で中間試験を行う(計算問題中心ではあるが問題数が多すぎるかも知れない)。受講者のレポートを元にほぼすべての問題の解答を LUNA(教授者-学習者支援システム)にアップした。前半部分のテーマは曲線,曲面を微分を用いて調べる話題で,Rn 内の多様体の定義まで一応到達した。後半部分のテーマはベクトル解析で,線積分をやっているところである。

著書『複素数とはなにか』(講談社ブルーバックス)が発売して1ヶ月が過ぎた。ブルーバックスの数学書の好調に後押しされてか,売れ行きは割とよかったが,1ヶ月経つとそれも鈍ってきたようだ。この1ヶ月,ランキングを気にしたり,書店に行ったりと落ち着かないよい経験をさせてもらった。自分が本を書いた影響で本を読む量が増えたのも副次効果である。

今のところ,読者の声が聞こえてくることはなく,読まれているものかどうかわからない。ブルーバックスの普及度により売れていても,難しいと投げ出されているのではないかと恐れる。一般の読者層にとって,軽く読み流せる内容ではないと思うが,しっかり読んでくれる読者に届くことを願っている。
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示野信一

Author:示野信一
関西学院大学理工学部数理科学科
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