四元数による空間の回転
秋学期の定期試験が終わってだいぶ経つが、学部4年生と大学院生向けの授業で拙著『演習形式で学ぶリー群・リー環』を教科書にしてリー群とリー環について講義した。
授業の中でコンピューターグラフィックスなどの応用上も重要な四元数を用いて空間の回転を表す話を扱い、ベクトル $(1/\sqrt{3},1/\sqrt{3},1/\sqrt{3})$ を軸とする角 $\frac{\pi}{2}$ の回転により点 $(1,2,1)$ をうつした点の座標を求める問題を定期試験で出題した。回転を表す四元数は $$g=\cos\frac{\pi}{4}+\frac{1}{\sqrt{3}}(i+j+k)\sin\frac{\pi}{4}=\frac{1}{\sqrt{2}}+\frac{1}{\sqrt{6}}(i+j+k)$$ で、回転した点は $$g(i+2j+k)\bar{g}=\frac{4-\sqrt{3}}{3}i+\frac43j+\frac{4+\sqrt{3}}{3}k$$
したがって求める点の座標は $((4-\sqrt{3})/3,4/3,(4+\sqrt{3})/3)$ である。四元数の積の計算は注意深くやればできるものだが結構面倒なので試験の出来はあまりよくなかった。
Maple 標準のパッケージでは四元数の計算がサポートされていないが、Michael Carter 氏作の Quaternions パッケージをインストールして使えば四元数の計算をMapleで行うことができる。手計算をさせる意義が乏しい問題だったかも知れない。

授業の中でコンピューターグラフィックスなどの応用上も重要な四元数を用いて空間の回転を表す話を扱い、ベクトル $(1/\sqrt{3},1/\sqrt{3},1/\sqrt{3})$ を軸とする角 $\frac{\pi}{2}$ の回転により点 $(1,2,1)$ をうつした点の座標を求める問題を定期試験で出題した。回転を表す四元数は $$g=\cos\frac{\pi}{4}+\frac{1}{\sqrt{3}}(i+j+k)\sin\frac{\pi}{4}=\frac{1}{\sqrt{2}}+\frac{1}{\sqrt{6}}(i+j+k)$$ で、回転した点は $$g(i+2j+k)\bar{g}=\frac{4-\sqrt{3}}{3}i+\frac43j+\frac{4+\sqrt{3}}{3}k$$
したがって求める点の座標は $((4-\sqrt{3})/3,4/3,(4+\sqrt{3})/3)$ である。四元数の積の計算は注意深くやればできるものだが結構面倒なので試験の出来はあまりよくなかった。
Maple 標準のパッケージでは四元数の計算がサポートされていないが、Michael Carter 氏作の Quaternions パッケージをインストールして使えば四元数の計算をMapleで行うことができる。手計算をさせる意義が乏しい問題だったかも知れない。

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