テイラーの定理

関西学院大学理工学部数理科学科1年生対象の微分積分の授業で今日からテイラーの定理に入った。授業の進行の関係で例年より取り掛かるのが遅い。テイラーの定理は高等学校の微積分では習わない大学の微積分の重要な話題であるが、いつも学生たちにうまく理解してもらうことができず苦心している。
上のグラフはMapleで描いた指数関数 ex のグラフ(赤)と 0 における2次近似式 1+x+x2/2 のグラフ(青)である。従来もこのようなグラフをウエブページで公開したり (たとえば、指数関数のテイラー展開(デモ))、配布資料を用意したり、グラフが書いてある教科書を選んだりして提示してきたが、今日は今までで初めて教室にパソコンを持ち込んでプロジェクターを用いて指数関数や三角関数の近似多項式のグラフを次数を変えて示した。数式処理そのものを対象にした授業や数学の授業の時間内にコンピューターの実習を行うことは今までにもあったが、学生がパソコンを操作する実習の中以外で、教員側でパソコンを操作してグラフを見せたのは私の教員生活の中でこれが初めてのことである。スクリーンや天井に設置されたプロジェクター、ケーブルなどパソコン以外の設備は教室に備え付けられており、私自身 Maple のような数学ソフトウエアには慣れており、実行に何の困難もないはずのことを、やろうと思いつつ、適切なタイミングで行うことなく今日まで怠ってきたのは、億劫がっていた・決断力がなくぐずぐずしていたからである。学生には常々積極性を要求しているのに情けない話だ。これでたちまち素晴らしい授業になる訳ではないが、少しでもよいと思える方向に変われて嬉しい。
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